水素灸とは、結晶化させた水素の顆粒と水素発生水を用いた化学反応を利用した火を使わないお灸です。この新しいお灸は、じんわりとした湿気を伴う熱感が心地よく、施術中に眠気を感じる患者さんも多いようです。また火を使わないため、顔の上でも恐怖心を感じずに施術できます。眼精疲労の方が対象の場合、まぶたの上に施術します。
水素灸は、水素灸研究会を興した竹田信吉先生が「水素風呂」から着想を得て開発した施術器具です。水素風呂は、水素発生器を湯船に沈めて浴槽全体に水素を拡散させ、身体に水素を取り込ませる製品ですが、竹田先生はその発生器から出る水素を患部に直接当てることができればもっと効果的ではないかと考え、現在の水素灸を考案されました。
水素灸器の中で高濃度水素ガスを発生させ、持続的に直接患部に水素ガスを経皮吸収させることを目的としたこの治療法は、水素灸研究会のWebサイトで紹介されています。
結晶化した水素の反応は、最初の一分で約50度ほどに上がり、そこから約10分かけて平温に戻りながら水素を出し切ります。水素は拡散力が強いため、水素灸器内に充満した後に、より逃げやすい底面の穴から拡散していききます。
同時に、化学反応を起こす水素キューブは熱も発生させますので、水素灸器の底面が温かくなり、じんわりとした心地よい熱を伝えてくれます。また、水素ガスの発生に伴って水蒸気も発生し、底面の穴から湿気を帯びた熱が放射されるのです。